話題作を送り続けるアニメーター、『新海誠』の作品を紹介

若者たちから絶大な支持を集める稀代のクリエイターである『新海誠』さん。彼が描いた監督作品を見たという人も多いでしょう、それは何処か心を打ち、ただ漠然と見るだけでは理解できない、そんな心象心理を見事に描いている作品が多い。このサイトではこれまで公開された彼の作品を紹介・考察していきます。

星を追う子どもについて

話題作として登場

新海誠監督が作るアニメーション作品を見ている、という人は多いでしょう。色彩鮮やかな風景と、登場人物たちが織りなす心象風景とが重なりあって、見るもの全てを魅了する世界観はこれまでになかった作品を生み出し続けている。いずれは日本を代表し、さらに世界的に活躍するとまで評されている新海監督ですが、これまで発表してきた作品の中で何が一番心に残っているでしょう。個人的にはやはり一番最初に発表された『ほしのこえ』だろうか。人類が火星にて地球外生命体からの襲撃に合い、その対策として国連宇宙軍が結成されたことで描かれるインディーズレーベルでの映画作品だ。

この作品はあの石原慎太郎さんをも唸らせた作品として知られ、メジャーではない、監督として新人であるにも関わらず映像作品は計10万枚を売り上げる大ヒットとなる。ここから新海誠という新世代のアニメ映画監督が誕生した瞬間と言えるでしょう。その後も精力的に活動を続け、新しい作品を世に放ち続けました。そんな監督の最新作が2016年8月に公開とあって、その話題にも触れておきたいところですが、やはり最初は過去作品から触れていこうと思います。

まず最初に見ていきたいのは、2011年に公開された『星を追う子ども』だ。この作品が公開されたのは2011年4月7日のこと、当時は東日本大震災が起こってから2ヶ月近く経過し、段々と落ち着きを取り戻していた頃。被災地ではまだまだそんな余裕はありませんでしたが、その他の地域では以前の生活を取り戻そうとして活動を続けています。ちなみに筆者的にもこの時期に丁度転職をしたので、色々と偶然が重なっているようだ。

そんな中で公開された星を追う子どもという作品、これがどのようなものだったのか見ていこう。

星を追う子ども 概要

新海誠監督の作品として発表された星を追う子ども、これまで発表されてきた作品に次いで記念すべき4作品目となっている。制作期間は2年間にも及び、前作の『秒速4センチメートル』から4年ぶりの新作発表となった。こうした映像作品を発表するといっても、コンスタントに新作品を世に送り出せるということは、それだけ定評があるとの証といえる。実際面白いと感じるので、監督のファンだと豪語する人は多そうだ。

前作からそうですが、監督が創りだす映画には不思議な魅力が込められている。今作においても例外ではない、何処か懐かしい、かと言って本当はこんなことがあったかもしれないと、幼い頃の願望がそのまま体現したような、そんな気分に視聴後は陥ります。それを鬱状態に突入すると言うのかもしれないが、それとはまた別だと個人的には思っています。

さて、そんな星を追う子どもについて、まずは簡単にあらすじから紹介していこう。

あらすじ

山間部の小さな町で生まれ育ったアスナは幼少期に父を亡くしてから母と二人で暮らしていた。時折、父が遺した形見の石と共に、自身の秘密基地で過ごすなど平凡に過ごしていると、ある時に不思議な唄を耳にする。どこか懐かしく、かと言って聞き覚えのないその唄を忘れられなかったアスナの目の前に、シュンという少年が現れる。地下世界、アガルタと呼ばれる場所からやってきたシュンと邂逅するアスナ、やがて2人は心を通わせていき、アスナはほのかな恋心を、シュンは地上の素晴らしさを知っていった。

けれど穏やかな時間は長く続かなかった、また会おうと言って別れたその数日後、シュンの死体が発見されたのだ。どうしていきなりと、シュンの死を受け入れられず、ただ悲嘆にくれるアスナ。出来るのであれば、もう一度シュンに会いたいという思いが強くなる中で、シュンと瓜二つな顔をしたシンという少年が現れる。彼はシュンが持ちだしたアガルタへと通じる鍵であるクラヴィスを回収するため、アスナの前に現れる。

だがそこへ武装した集団と、アスナの担任である森崎が出現しアスナたちに攻撃を仕掛けた。やがてシンは無事クラヴィスの回収に成功すると、アガルタへなんとか帰還する。そこへ森崎達も駆けつけて地下世界への入り口を発見するが、森崎は突如として部隊を裏切るのだった。彼の目的はアガルタへ赴き、あるとされる死者を蘇らせる手段を行使して亡き妻リサとの再会を望んでいたのだ。森崎の真意を知ったアスナ、自身もアガルタについて調べている中で一度死んだ人間を生き返らせられる方法があると知り、森崎に付いていくことを決める。同行者として、猫のような生物であるミミも引き連れて、アスナはシュンと、森崎はリサともう一度会うために未知なる世界であるアガルタを目指すのだった。

プロの声優さんを起用

新海誠監督の作品といえば、その特徴は独特でありながらカラフルな世界観で満たされた内容となっている。もう一つには、起用している声優さんについてだ。それまで発表してきた作品にもいることにはいましたが、本業として声優をしている人たちをさほど多く起用せず、普段は俳優として活躍している人が声を当てている事が多い。世界観と人物像、それらを重ねあわせた上での配役といえるでしょうが、これはかなり好みが分かれるところだ。現在も男優・女優、それぞれで声優として声を当てられている事は多いですが、体全体で演技するのと声だけで演技をするのでは完全な実力が問われる。そのため、声優起用に関しては度々ネット上でも批判が上がることも多く、その度に作品がつまらないとばかりに糾弾されがちだ。

面白そうな作品ほどそういうケースに見まわれがちなんですが、新海監督の作品もそれに当てはまっている。けれどこの星を追う子どもでは大半がプロとして、アニメなどで声優としての経歴を積み重ねている人たちが多い。ピックアップしていくだけでも、

これだけいます。

主演とヒーローもそうですが、なにげに大御所である井上和彦さんと大木民夫さん、そして島本須美さんというメンツが揃っているだけでも凄いことだ。アニメなどに精通している人にとっては、これだけで見る価値があると言ってもいいですね。必ずしも声優さんが担当していれば成功、というわけではないですが、明らかな棒読みよりは聞いていて安心はできそうです。

評判として

これまで新海監督の作品は現代風でありながら、時にSF的な要素も盛り込んだ内容が多かった。そこへ投石するように一転してファンタジー色の強い世界観になっているのには、伝統的なアニメ制作に倣って完成させようとした、というのが背景にあるという。だからこそ、声優さんについてもその業界で知名度が高い人達が多く起用されているとのこと。基本的には監督が作りたいと思っている物を制作しているだけでしょうが、それでも面白いと多くの人の心に響かせているのだから、さすがの一言だ。

そして今作を見た人たちの意見も至って高く評価していますが、作品を見て考えさせられるとメッセージ性を強く受信したと述べている人がかなり多い。受け取り方は人それぞれですが、感じたものは共通しているようだ。